[1999.11.03]
  冒険心


 ▼ジム・クラークを通して描く(はずだった)シリコンバレー物語(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/3289.html


 ネットスケープ社の創業発表の席には,二人の男が並んでいた。一人が,このときもうすでにナビゲーターのソースコードで頭がいっぱいだったマーク・アンドリーセン氏(過去記事)。そしてもう一人が,ジム・クラーク氏。失敗を生まない強い信念を感じさせる,冒険することを決して恐れない,そんな不思議な魅力に,包まれて。

 マイケル・ルイス氏の新著『ザ・ニュー・ニュー・シング』は,米国シリコングラフィックス(SGI)社や米国ネットスケープ社,そして米国ヘルシオン社などの会社を設立,成功に導いたジム・クラーク氏が主人公の一人だ。この本では、未来の様相を変えるアイディアへの仮借なき探求において,クラーク氏が予言者という役割を負っている。また,出資者との力関係を変えた,革命的なエンジニアを率いた自由市場のレーニンという姿も,彼に重ねることができる。

 SGIを3Dグラフィックスワークステーションのトップへと運び,そしてネットスケープで一世を風靡した男。今も,クラークがいる会社ならきっと成功するという確信がシリコンバレーにはあるという。クラークは今年の上半期に,ヘルシオン社をマイクロソフトも出資するほどに成長させた(ZDNet Newsの記事)。ネットスケープ時代,ことあるごとにクラークはMSを「悪の帝国」と称していたのだが。

 移り気,気まぐれ,無節操,飽き性…,という評価は,その裏面である。すでにヘルシオン社への興味も失せたようで…。今は,筆頭株主である高額所得者向けの資金運用サイトのマイCFO・コム社や,フィルム処理市場を狙い新設したシャッターフライ社に心血を注いでいる(ZDNet Newsの記事)。彼の,見方を変えること,やり方を変えること,そしてそれを信じて,どこまでもどこまでも突き進む姿勢は,見習うべきものが多いかもしれない。冒険をしない経営,冒険をしない人生,冒険をしない将来…。そんなものに不安を覚えたら,クラークの生き様を,笑いながら楽しむのも,悪くない。


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